お地蔵さん、石仏を辿って行く 白木山(しらきやま・889.3m)

広島市安佐北区白木町

2007年5月4日(金) みどりの日    門久単独

 

 

 

 

〈白木山にもブナがある、七合目の上にある若葉を繁らせたブナの樹〉

 

 

大型連休後半の四連休の二日目である。

天気予報は午後3時頃からの雨を予告していた。あとの二日間も芳しくないとの予報である。

この状況では、何としても出掛けねばなるまいと思い立った。

午後3時頃までに帰宅あるいは下山するとなると、そんなに遠くまでは行けない。

行き先は種々検討した結果、 自宅からの距離や登り甲斐などから白木山(889.8m)に決めた。

広島市近郊の高低差のある名山であるが、暫く行っていなかった。

前回はもう二年四ヶ月も前のこととなるようだ。久し振りとは言え馴染みの山である。

今回の趣向は、白木山駅からのメインルートを登山口から石仏を写真に納めながら登って行くということとした。

 

《山行記録》

白木山駅(北)10:11・・・・10:15登山口10:16・・・・10:25経尾山・・・・10:30経納ヶ段・・・・10:34馬の背・・・・10:36穴地蔵10:40・・・・10:50展望所・・・・11:00獅子ノ門(三合目)・・・・11:06釈迦の段・・・・11:13勢至観音(四合目)11:14・・・・11:21天主の段(五合目)・・・・11:30桜の馬場(六合目)・・・・11:31ヘリポート・・・・11:39七合目・・・・11:47水槽(水場)11:51・・・・11:56八合目・・・・・12:03九合目・・・・12:14白木山(889.8m)(昼食)12:58・・・・13:09九合目(右へ)・・・・13:14水場13:15・・・・13:24水槽13:26・・・・13:53天主の段(五合目)13:55・・・・14:27穴地蔵・・・・14:49登山口14:50・・・・15:00白木山駅(北)

〔総所要時間:4時間49分、昼食・休憩等:1時間00分、正味所要時間:3時間49分〕

 

 

10:11白木山駅(北)

   今回は急に思い立ったので登山口まで自動車を走らせた。この登山口には駐車場がない。着いてみると駅から登山口に向かう車道に沢山の自動車が路上駐車していた。その列の最も駅寄りに何とか一台分のスペースを見つけて愛車を停めた。

 

10:15〜10:16 登山口

  車道から急な階段道が直ぐに始まるお馴染みの登山口である。登り口の左手からお地蔵さんが見てくれている。どなたかが赤いカバーをお地蔵さんに被せており愛嬌のある様相となっていた。登り始めると、約5分おきに石仏が安置されていた。どの石仏にも、登山口のお地蔵さんと同様に赤いカバーが掛けられてあった。

 

 

 

〈白木山駅から約5分、白木山への登山口〉

10:16登山口のお地蔵さん〉

 

 

 

 

 

10:25 経尾山〉

10:30 経納ケ段〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈先行者を追って急坂を登る〉

10:34馬ノ背〉

 

 

10:36〜10:40 穴地蔵

  穴地蔵は、文字通り路傍に口を開けた洞窟の中に地蔵尊が安置されている。洞窟を覗いてみると、薄暗い中に赤いカバーを被った二つの石仏が安置されているように見えたが、写真で見るとうち一体は石の塊のようだ。ここ穴地蔵から登山道は一際険阻になる。約10分間で北の方角の眺望が開ける地点を通るが、あとは殆んど眺望のない急坂が待っている。獅子の門、釈迦の段、勢至観音と石仏は続く。

 

 

 

10:36穴地蔵〉

 

 

 

 

 

〈穴地蔵さんは奥の洞窟の中に安置されている〉

10:40展望所:北方の白木の谷間が眺望できる〉

 

 

 

 

 

11:00 獅子の門:三合目の表示、頂上はまだ遠い〉

11:06 釈迦の段〉

 

 

 

 

 

11:13 勢至観音(四合目)〉

〈最後の石仏の勢至観音に見送られて、頂上を目指す〉

 

 

11:21 天主の段(五合目)

  石仏は四合目の勢至観音が最上部のものであった。途中からなくなることは気付いていたが、こんなに早い段階で終わるとは・・・、という感じであった。五合目の天主の段は樹々が切り払われており、登山道の先に白木山の山頂部が望める。そこから暫くは土塁のように土を盛った馬の背の如き細く平らな道が続く。とても気持ちの良いところだ。その先には岩がゴツゴツとしたこれぞ白木山という急坂が待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈天主の段からは白木山の頂上が望める〉

〈暫く平らかな道が続く・・・〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈やがて、ゴツゴツした岩の急坂が始まる・・・〉

〈険しい道が9合目まで続く〉

 

 

11:47〜11:51 水槽(水場)

  急坂を登り続けた。二日続きの山行に脚はやはり早く疲労を感じてしまうようだ。七合目を過ぎて、まだ暫らく行ったところで谷間の水場からパイプで水を引いてきている水槽のある広場に出た。乾いた喉に水を一杯、二杯と頂いた。甘露であった。ここで元気を回復して、あと少しとなった頂上へ向かって再出発した。

 

 

 

〈清水が噴出する水槽、遠い水場から引かれている〉

〈水槽の上には大きな朴(ホウ)の樹が聳える〉

 

 

12:14〜12:58 白木山(889.8m)

  登山口から2時間かかって登頂した。芝生の広場に鉄塔や神社、展望台などが配置されている。広場の端には簡便な避難小屋もある。広場の北側の樹々は完全に切り払われており、この日は霞んでいたが桐陽台など大林方面の眺望が得られる状態になっていた。連休中ゆえか、芝生の上には大勢の登山者が寛いでいた。その中に座って簡単に昼食を摂り、コーヒーを沸かしてから、下山することとした。

 

 

 

〈白木山頂上〉

〈北方は切り開かれているが、靄で眺望不芳〉

 

 

 

 

 

〈馬酔木が多い山であるが、もう花期は終わってしまった〉

〈落花した馬酔木の花〉

 

 

13:09 九合目

  九合目でメインルートを外れて右折し、水場への道を辿ってみることにした。最初は馬酔木の中、次いで薮椿の林の中をドンドンと下って行った。初めて通る道であるが、よく踏まれており安心して歩ける道であった。

 

13:14〜13:15 水場

 約5分間下って行くと薮椿の林の中にある水場に到着した。細いビニールパイプから清水が流れ落ちており、その水がネットを張った水槽の中に溜まる仕掛けであった。水槽に溜まった水がパイプの中を通って、メインルート脇の水槽まで送られている。地元の人達に守もられている貴重な水場である。

 

 

 

 

 

〈椿の花で彩られた水場〉

 

 

 

 

 

〈メインルートを外れて椿の道を水場へ向う〉

 

 

 

13:24〜13:26 水槽

  水場からメインルートに戻った。戻ったところは水槽のある地点。改めてパイプから湧き出る水を見ていると、ここまで引水してくれる地元の人達の努力の有難さをつくづくと感じた。水槽からは岩がゴツゴツした急坂を下って行く。白木山登山で最も有難くない歩きだ。ただこのルート上で出合ったブナの樹は立派であった。登山道の直ぐ傍にあり、もう新緑の葉を目一杯に付けて天空を閉じていた。あとは往路と同じ道を登山口まで下って行った。

 

 

 

 

 

 

〈水場からこのパイプで水槽まで水が引かれている〉

〈改めて朴の木の下にある水槽〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈周囲を黄緑色の染めそうな白木山のブナ〉

 

 

 

 

 

 

〈五合目のすぐ上の土塁のような平らな道、グリーンシャワーが心地良い〉

 

 

 

 

 

 

 

〈新緑の上に対面の高鉢山を見上げる〉

 

 

 

 

 

〈馬頭観音を祀る馬の背の坂道〉

 

 

 

14:49〜14:50 登山口

頂上から登山口まで1時間50分の所要時間であった.。登山口から白木山駅近くの駐車場所まで行く途中、みごとなシャガの花が咲いていた。芸備線のディ―ゼル列車が走り、田圃では田植えの準備が始まっている大いなる田舎の風景であった。

 

 

 

〈麓にはシャガの花が満開だ!!〉

〈白木山駅に停車中のJR芸備線の列車〉

 

 

15:00 白木山駅(北) 

   登山口から写真を撮りながら、ノンビリと歩いて駐車場所に到着した。何とか午後3時までに下山出来たが、空模様は今直ぐに雨が降り始めるといったようなものにはなっていなかった。

 

 

〔山行所感〕

 久し振りの白木山であったが、やはりタフな山だ。2時間の登りは、いかにも山に登ったという感じである。そして岩だらけの急坂の嫌な下りもやはり白木山らしい。

 今回は、お地蔵さんや石仏に導かれるようにして登ってみようと考えたが、石仏と遊べるのは前半だけであった。急坂が続く後半の地点まで石仏を運ぶことは古今のこの地区の人達の想像力の及ばないところなのだろう。

やはり白木山は険阻な山である。近くて、タフな山である。もっともっと付き合って、真に馴染みの山にしたいものだ。


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