オオヤマレンゲの咲き具合を確認に、霧と雨の中を登る 天狗石山(1,191.8m)
2007年6月10日(日) チャコ&門久
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<雨に濡れた葉陰から覗くオオヤマレンゲの蕾> |
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梅雨前線は遥か南の海上にあって北上せず、なか梅雨入りしない中国地方である。
そこに日本海に寒気を伴った低気圧が居座って、このところ強烈な雷雨を伴う不安定な天候が続いていた。
そろそろそんな天候も落ち着いたかと思えたこの日、旧
「深山〜阿佐山〜西ドーゲン〜三ツ石山〜天狗石山〜深山」の周回ルートを辿り
最後の天狗石山で今年のオオヤマレンゲの咲き具合を確認したいとの計画であった。
しかし、現地に近付くに連れて天気が悪化!
大暮川の谷を遡る頃には雨が降り、毛無山、阿佐山などの頂上部は完全に雲の中という状況であった。
こんな天気が続くようなら、全ルートを周回するのは難しいかも知れないと考え、
深山からの左回りのルートを反対に右回りルートに変更して、先ずは天狗石山を目指すことにした。
登攀ルートは今回初めての佐々木新道とした。
《山行記録》
深山橋10:14・・・・10:22佐々木新道入口(雨具を着る)10:31・・・・10:57伐採地を過ぎ森に入る・・・・11:21オクビ山下の鞍部・・・・11:25(雨具ズボンを穿く)11:31・・・・11:52頂上直下、来尾峠からの道に合流・・・・11:54天狗石山(1,191.8m)12:15・・・・12:25林道・・・・12:30天狗石中継所・・・・13:45天狗橋(佐々木新道入口)・・・・13:50深山橋 〔総所要時間:3時間36分、休憩等:0時間36分、正味所要時間:3時間00分〕 |
10:14 深山
のんびりと広島の自宅を出たので、スタートはこんな時間になってしまった。愛車を林道細見大塚線の分岐点近くの退避所に停めさせてもらって、天狗石への林道に踏み入った。
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<愛車を停めた辺りの大暮の林道と立体交差する大塚林道> |
<「全面通行止」の天狗石への林道に踏み入る> |
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10:22〜10:31 佐々木新道入口(天狗橋)
林道を10分足らず足馴らししながら歩いて行くと、天狗橋の架かる渓流に出合う。林道の左手には天狗石山荘が建っている。ここが佐々木新道の入口である。指導標もあるので直ぐ分かる。ここで雨が本格的になってきたので、ザックにカバーを掛け、レインウェアの上着を着込んだ。広い伐採地跡を30分足らず登って行く。その伐採地を抜けると豊かな森の中の山道となる。全般的には余り踏まれていないルートである。伐採地の上部は草で埋もれようとしているところも多い。それでも森に入ると気持ち良い道が続いた。雨は強くなったり、弱くなったりしながら降り続いていた。
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<左手の泥濘が佐々木新道入口:天狗橋の手前、天狗石山荘前だ> |
<暫く伐採地の中を行く> |
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<伐採地から森に入ると見事なブナ等の林が見られる> |
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<登り行くほどに山上の霧が濃くなっていった> |
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11:21 オクビ山下の鞍部
オクビ山とは天狗石山の直ぐ南にある1078mのピークである。枯れた沢沿いに上ってきた佐々木新道はこのオクビ山の直ぐ北側の鞍部に出る。ここは十字の峠となっており、天狗石山へは右に曲がり笹が被った尾根筋を登って行くこととなる。(左にとればオクビ山へ、真っ直ぐだと乳母御前へ行くという=未確認)。道を被った笹がズボンを濡らすので、雨具のズボンを穿いた。ここまで来ると霧は樹林の中まで入ってきており、森全体が霧に霞むようになっていた。そんな中を直登気味に頂上に向けて進んだ。
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<鞍部にある指導標> |
<やや笹の被さった尾根筋を濡れながら行く> |
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〈霧に巻かれ情緒ある(?)広葉樹の森〉 |
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11:54〜12:15 天狗石山(1,191.8m)
頂上直下の岩の下で来尾峠から上って来た道に合流した。合流点から岩を回り込めば丸太を組み立てた展望台のある天狗石山の頂上だ。この展望台と二等三角点の建つ岩の上以外には登山者が立てる空間がないという狭い頂上である。ここで3人組の登山者の方々にお会いした。深山で阿佐山方面に向かうグループに会って以降、初めて会う人達であった。来尾峠から登ってこられた方々で、「峠には沢山の自動車が停まっていたが途中で擦れ違ったグループ以外には姿が見えない、皆さん何処へ行かれたのだろう」と仰っておられた。暫し情報交換をしていたが、雨が強く降り始めると、早々に来尾峠へ向け出発された。
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<展望台のある天狗石山々頂も霧の中> |
<天狗石山の二等三角点> |
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雨の強くなった天狗石山の頂上は、濃い霧に包まれており、全く眺望がなかった。岩峰下の深い森の中から頭を出しているオオヤマレンゲの樹には、表皮が白くなった蕾が数個見られた。全体が咲くにはまだ2週間近くが必要な塩梅である。滑り易い岩の間を下って行ってみると岩峰の断崖にすがりつくようにして咲く別のオオヤマレンゲにも会えた。こちらも堅い蕾であった。雨と霧に加え、風までが強くなってきてこの蕾を揺らしていた。
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<山頂岩峰直下に咲くオオヤマレンゲ(蕾)も霧に霞む> |
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<岩峰にすがりつくように咲くオオヤマレンゲも未だ蕾だ> |
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ちょうど正午過ぎであったが、狭い頂上には雨を避ける場所もなく、雨脚が弱まる気配もないので、早々に頂上を発って雨を避けることの出来る場所まで行ってから昼食を摂ることにした。
12:25 林道
頂上から東側に下って行くと10分程でアスファルト舗装された林道に出た。「天狗石山々頂まで15分」との指導標があった。この林道に出るまでの間で、約20名の団体と擦れ違った。聞いてみると来尾峠から登ってきて、今引き返しているという。天狗石山を越えてキナイ原方面まで足を延ばしていたようだ。
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〈深山から上って来る林道に出る〉 |
〈林道ではタニウツギが満開だ〉 |
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林道に出ても雨脚は弱くなるどころか、ますます強くなってきた。相変わらず霧で眺望も利かない。これでは阿佐山まで足を延ばしても労苦だけだろうと、林道を辿って深山へ下山することを決意した。もう10年以上も前の秋にこの林道歩きをしたことがあるが、長い長い道だった。路傍には沢山の山蕗があったのでこれを少しずつ頂きながら長く単調な歩行中の無聊を慰めた。
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〈こうした路面が延々と続く、歩くと長い〉 |
〈長い林道歩きの間の楽しみは山菜採り(蕗)〉 |
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13:50 深山
林道を歩くこと1時間25分で深山に下山した。深山に近くなって、霧の中を抜け出たのか、周りが明るくなり雨も弱くなってきた。帰り支度を整える間に雨が一時上がったので、林道脇の退避所で遅い昼食を摂った。
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<深山の三叉路> |
<林道の路傍にはヤグルマソウの群生が咲く> |
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〔山行所感〕
天気予報ではこの日は前日までの不安定な天候も落ち着き好天に恵まれ、透明度の高い眺望を思う存分楽しめる山行となる筈であったのだが、実際には上記の通りの惨めな結果と相成りました。自然の中で気儘に楽しませて貰っている身にはそれ以上とやかく言っても仕方がありません。しかし、最終目的であった天狗石山のオオヤマレンゲの咲き具合だけは確認でき、次のステップへ進む上で大いに参考になりました。
この日、何とリンクさせて頂いている「山で乾杯!
我ら初級中年登山隊」の山本隊長はじめ四名の皆様も来尾峠から天狗石山に登られていたとのこと。佐々木新道を登った我々と遭遇できる場所は頂上だけだったのですが、約一時間半の差で初遭遇は実現せず、大いなるニアミスに終わってしまったようです。残念無念!次ぎの初遭遇のチャンスに期待を膨らませましょう!!
早い時間帯に下山したことから、八幡湿原の花々を見に行こうと 自動車を尾崎湿原へと走らせました。 そこで何と熊(ツキノワグマ)に遭遇してしまいました。 その件については稿を改めることと致しましょう。 |
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天狗石山の花々
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ウツギ (ユキノシタ科ウツギ属) |
フタリシズカ (センリョウ科センリョウ属) |
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オオヤマレンゲ(蕾) (モクレン科モクレン属) |
ツルアジサイ (ユキノシタ科アジサイ属) |
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トチノキ (トチノキ科トチノキ属) |
ヤグルマソウ (ユキノシタ科ヤグルマソウ属) |
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ヤグルマソウ (ユキノシタ科ヤグルマソウ属) |
ノリウツギ (ユキノシタ科アジサイ属) |
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ギンリョウソウ (イチヤクソウ科ギンリョウソウ属) |
ヤマムグラ(山葎) (アカネ科ヤエムグラ属) |
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コバノフユイチゴ (バラ科キイチゴ属) |
ハスノハイチゴ (バラ科キイチゴ属) |
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ヤブデマリ (スイカズラ科ガマズミ属) |
タニウツギ (スイカズラ科タニウツギ属) |
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コケイラン (ラン科コケイラン属) |
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マムシソウ (サトイモ科テナンショウ属) |
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ヤマアマドコロ (ユリ科アマドコロ属) |
キランソウ (シソ科キランソウ属) |
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ササユリ (ユリ科ユリ属) |
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