剱岳・立山の好展望とお花畑が素晴らしい 剱御前(2,776.6m)
2007年8月7日(火)〜8日(水) チャコ&門久
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〈西陽を浴びた雷鳥沢キャンプ場〉 |
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恒例の夏の日本アルプス山行の今年の行き先は北アルプスの剱岳、立山、大日連峰とした。
雷鳥沢キャンプ場にテントを張って、山中三泊四日の涼しい山の生活を楽しむ計画であった。
しかし、楽しい夢は露と消えるところとなり、足慣らしの積もりで登った剱御前が唯一の踏破したピークで、
一泊二日で下山することとなってしまった。久々の挫折とあいなった次第。
《山行記録》
〈8月7日(火)〉 室堂ターミナル7:41・・・・7:51ミクリガ池・・・・7:58みくりが池温泉分岐・・・・8:07地獄谷・・・・8:20ロッジ立山連峰・・・・8:29雷鳥沢キャンプ場(テント設営)9:28・・・・9:34称名川渡渉橋・・・・9:54(休憩)9:59・・・・10:47「雷鳥沢1km、別山乗越1km」・・・・10:51(休憩)10:56・・・・11:26別山乗越(剱御前小舎裏で昼食)11:53・・・・11:57
2,792m峰 12:02・・・・12:43(19.7℃)剱御前(三等三角点2,776.6m)13:07・・・・13:33別山乗越13:41・・・・14:04「雷鳥沢1km、別山乗越1km」・・・・15:00称名川渡渉橋・・・・15:05雷鳥沢キャンプ場 〔総所要時間:7時間24分、昼食・休憩等:2時間13分、正味所要時間:5時間11分〕 |
7:41 室堂ターミナル
広島から富山地方鉄道の立山駅まで長駆700km余、途中小矢部川サービスエリアで仮眠を取って早朝に到着した。駅前の無料駐車場に自動車を停めさせてもらった。午前6時発の初便のケーブルカーに乗り、美女平で臨時便の高原バスに乗り継いで1時間15分程で室堂ターミナルに到着した。重い荷物(今回は約21kg)を背負って雷鳥沢のテントサイトまで行かねばならない。行程の楽な地獄谷経由のルートを採った。
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〈室堂平の石を敷き詰めた遊歩道と霧が巻いた立山主稜部〉 |
〈チングルマ咲く室堂平の植生保護区域〉 |
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〈ミクリガ池と稜線部が霧に隠れた立山主稜〉 |
〈ミクリガ池畔から長い石段を地獄谷に下って行く〉 |
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〈今なお噴煙を上げる地獄谷〉 |
〈激しくガスを放出している硫黄の塔〉 |
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〈地獄谷の先にあるロッジ立山連峰、温泉付の小屋だ〉 |
〈ロッジを過ぎると雷鳥沢キャンプ場が見えてくる〉 |
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8:29〜9:28 雷鳥沢キャンプ場
雷鳥沢キャンプ場管理所に申し込み手続きをしてキャンプサイトにテントを張ってから、この日の予定の剱御前に登ることとした。称名川を木橋で渡ってから雷鳥坂と命名されている急坂を剱御前小舎のある別山乗越まで登って行った。1時間50分の標準時間に比べて10分弱余計に時間を要した。想像を上回る急坂続きの道であった。
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〈雷鳥沢キャンプ場と別山、別山乗越へは中央部の尾根を登る〉 |
〈称名川に架かる木橋を渡って行く〉 |
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〈川筋に咲いていたシナノキンバイ〉 |
〈雷鳥坂は登るに従って厳しくなってゆく〉 |
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〈雷鳥坂を彩るコバイケイソウの花と立山主峰と浄土山〉 |
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〈雷鳥沢越しに霧に巻かれた奥大日岳と称名川の谷を俯瞰する〉 |
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〈チングルマのお花畑の先は浄土山〉 |
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11:26〜11:53 別山乗越(剱御前小舎)
別山乗越に辿り着くと眼前に威厳のある剱岳と八ツ峰の岩峰群が目に飛び込んでくる。圧巻だ。さらにその先には黒部峡谷を挟んで後立山連峰の峰々を眺望出来る。暫しやや強い風を避けるためこの乗越に建つ剱御前小舎の陰に座って、雄大な景観を眺めながら昼食を摂った。
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〈別山乗越から剱岳、八ッ峰を望む〉 |
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〈霧が晴れた奥大日岳、その先の大日岳を俯瞰する〉 |
〈右手には別山を望む〉 |
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〈白馬連峰を背にしてヘリコプターは飛ぶ〉 |
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〈剱岳と後立山連峰〉 |
〈旭岳・白馬岳から五竜岳までの後立山連峰スカイライン〉 |
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11:57〜12:02 2,792m峰
別山乗越から登山道は6分する。それだけここはこの山域の要衝であるのだろう。そのうちで最も人跡の薄いルートを辿って剱御前を目指した。他のルートは何処かと繋がっているのに対し、剱御前のルートはそこから先の剱岳方面が崩落のために通行出来ないことが人通りの少ない理由である。別山乗越から直登気味に直ぐ北側のピーク(2,792m峰)の上がると、そこは山上の展望台であった。雄山と浄土山の間に槍ヶ岳まで眺望できた。このピークから先は尾根道を行く。その尾根上はハイマツの部分以外は実に見事なお花畑であった。
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〈2,792m峰からの大眺望:立山全山や槍ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳が望める〉 |
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〈剱御前(手前尾根の左端)の先に剱岳の岩峰が聳える〉 |
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〈大きな裾を引く薬師岳、その左奥には黒部五郎岳が覗く〉 |
〈遥か槍ヶ岳が見える、手前の尾根は野口五郎岳、水晶岳辺りか〉 |
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〈手前は剱沢小屋、遥か黒部峡谷の先は五竜岳〉 |
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12:43〜13:07 剱御前(2,776.6m)
お花畑の尾根筋を辿って剱御前に到達するまでの間に西側の谷から湧き上がってきた霧に剱岳が瞬く間に隠れてしまった。まだまだ天候が完全に安定していないようである。頂上で暫し待ったが、時折頂上部が霧の中から薄っすらと姿を現わしはするが、その全容を見せることはなかった。そこに関西の高校の山岳部員が剱沢側の岩壁を這い上がってやって来た。
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〈剱御前山頂の三等三角点〉 |
〈剱御前から霧に隠れた剱岳を望む〉 |
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〈剱岳の南側を下る剱沢〉 |
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▲▼▲▼▲▼▲ 剱御前のお花畑の花々 ▼▲▼▲▼▲▼
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イワツメクサ (ナデシコ科) |
トウヤクリンドウ (リンドウ科) |
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ミヤマアキノキリンソウ (キク科) |
ミヤマダイコンソウ (バラ科) |
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エゾシオガマ (ゴマノハグサ科) |
ハクサンイチゲ (キンポウゲ科) |
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コイワカガミ (イワウメ科) |
コツガザクラ (ツツジ科) |
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ミヤマリンドウ (リンドウ科) |
ミヤマダイモンジソウ (ユキノシタ科) |
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チシマギキョウ (キキョウ科) |
ミヤマキンバイ (バラ科) |
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ハクサンボウフウ (セリ科) 〈自信はないが?〉 |
ヨツバシオガマ (ゴマノハグサ科) |
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タカネヤハズハハコ (キク科) |
ハクサンフウロ (フウロソウ科) |
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チングルマ (バラ科) |
アカモノ (ツツジ科) |
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13:33〜13:41 別山乗越(剱御前小屋)
剱御前からの別山乗越への帰路は2,792m峰のピークを踏まず巻き道を辿った。途中で雪渓に行く手を妨げられたが、何とかガレ場に迂回出来た。昼前に比べて別山乗越は静かであった。大方の登山者は更に次の小屋へと急いだようだ。雷鳥沢への下山道で行き違った何組かの登山者と情報交換をしたが、殆どの人達のその夜の宿泊地は剣山荘とのことで、剣山荘の大混雑が想像出来た。
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〈別山乗越に建つ剱御前小舎〉 |
〈別山乗越から剣山荘方面へ雪渓を横切って延びる登山道> |
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15:05 雷鳥沢キャンプ場
往きと同じ雷鳥坂の急坂を下って雷鳥沢キャンプ場に帰還した。早々に夕食を摂って、昨夜の寝不足もあるので早く眠り就くことにした。西の弥陀ヶ原の彼方に沈む太陽は残念ながら紅い夕焼けにはならなかったが、西陽が照らす立山や別山は清新な光に包まれた。
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〈日没前の清新な陽光に照らされた立山主峰〉 |
〈弥陀ヶ原の彼方に沈む夕陽〉 |
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翌8月8日(水)は早起きをして剱岳へのピストンを予定していたが、
前日から体調が今ひとつであったチャコは相変わらずの状態だと言う。
この先計画通りの山行は不可能な様子なので、ここは勇気を奮って下山することとした。
《山行記録》
〈8月8日(水)〉 雷鳥沢キャンプ場7:46・・・・7:50雷鳥荘方面分岐・・・・7:58急坂上・・・・8:03雷鳥荘・・・・8:06リンドウ池・・・・8:15血の池・・・・8:24山崎カール展望所・・・・8:28ミクリガ池8:37・・・・8:38ミドリガ池8:41・・・・8:50立山室堂山荘・・・・9:03室堂ターミナル 〔総所要時間:1時間17分、休憩等:0時間12分、正味所要時間:1時間05分〕 |
7:46 雷鳥沢キャンプ場
室堂ターミナルへの帰りは雷鳥荘、ミドリガ池経由の遊歩道を採った。早朝稜線に懸っていた濃いガスも取れ、素晴らしい青空が拡がった。遊歩道沿いには多くの池もあり、変化に富んだ美しい景色を楽しむことが出来た。真夏の立山・室堂は実に美しい。
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〈雷鳥荘のある丘の上から雷鳥沢キャンプ場を遠望する〉 |
〈雪融け水を湛えたリンドウ池と奥大日岳、右肩は雷鳥荘〉 |
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〈展望所から地獄谷、奥大日岳・大日岳を眺望する〉 |
〈天狗平にある立山高原ホテルの先は富山平野と日本海だ!〉 |
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〈いつも微笑んでしまうウサギギクの花〉 |
〈可憐に咲くラン科の花はテガタチドリであろうか〉 |
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〈テガタチドリ咲くミクリガ池と浄土山〉 |
〈立山主稜を映すミドリガ池〉 |
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〈クルマユリと冨士ノ折立から真砂岳への稜線〉 |
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9:03 室堂ターミナル
室堂ターミナルに着くと、そう待つ間もなく美女平行きのバスの便があった。バスに乗り、ケーブルに乗り換えて1時間少々で自動車を置いてある立山駅に下り立った。
〔山行所感〕
今回の山行については多言は無用であろう。一泊だけの山行になってしまったが、こう纏めてみると短い間であったが豊かな自然と美しい景観の中にいたことを実感する。盛夏の山旅は半端な形で終わってしまったが、また再起を期したい。