花咲く千町原から緑陰の登山道を周回する 掛頭山(1,126.1m)・臥龍山(1,223.4m)

広島県山県郡北広島町

2007年8月11日(土)    門久単独

 

 

 

 

〈臥龍山、深入山、恐羅漢山の三点セットの眺望は見事だ〉

 

 

気象庁は今年から最高気温が摂氏35度以上の日を猛暑日と呼ぶようになった。

かつての日本では考えられない気温が近年頻発するようになったということが背後にあると思う。

この日の広島はこの猛暑日の予報であった。こんな日に山に行くには、きれいな樹林の中を長く歩ける山が良い。

その上にマムシ君には出来る限り出合わない所の方がなお良い。

出来るだけ近場でそんな山域はないかと考えて思い当ったのが、掛頭山から臥龍山への縦走路であった。

麓の八幡原公園を花を愛でながら歩けば周回ルートを描くことが出来る。

立山から帰ってきてからまだ間がなかったが、単独で出掛けることとした。

 

《山行記録》

 千町原9:48・・・・10:50町道10:52・・・・11:16二川キャンプ場11:20・・・・11:35林道(土獄線)分岐・・・・11:44土草峠11:46・・・・12:30テレビ塔12:32・・・・12:39掛頭山(1,126.1m)12:40・・・・12:41パインリッジリゾーツ芸北スキー場最上段リフト駅(昼食)13:47・・・・13:59臥龍山縦走路分岐・・・・14:13林道に出る・・・・14:14再び縦走路へ14:16・・・・14:20猿木峠(984m)14:21・・・・14:44 1,123.6m峰 14:47・・・・15:04三叉路(雪霊水方面分岐)・・・・15:23臥龍山(1,223.4m)15:30・・・・15:40雪霊水15:44・・・・16:25渡渉点・・・・16:42千町原登山口・・・・16:49千町原

〔総所要時間:7時間01分、昼食・休憩等:1時間34分、正味所要時間:5時間27分〕

   

9:48千町原

 千町原の臥龍山登山口に近い、町道脇の八幡原公園駐車場に自動車を停めさせてもらった。そこから公園内に延々と続いている遊歩道を辿って二川キャンプ場に向かった。園内は初夏の花が終わって真夏から秋の風情を感じる花々が咲いていた。

 

 

 

〈コオニユリが鮮やかな八幡原公園

〈オオバギボウシの花も新鮮だ!〉

 

 

 

 

 

〈忙しく飛び交っていたオニヤンマがひと休み〉

〈ヒヨドリバナ咲く八幡原牧場〉

 

 

10:50〜10:52町道

  約1時間公園内をのんびり歩いて猿木峠への登山道の分岐点のすぐ先で二川に向かう町道に出た。ここからはほぼ真っ直ぐの舗装道路を歩く。その町道の右側の林に人がかなり入って下生えを伐採していた。今年から着手した八幡湿原自然再生事業の工事で、コンクリートで固めた水路を壊して、この辺りをかつての湿原に復元しようという目論見のようである。

 

 

 

〈公園抜けて町道を二川キャンプ場へ急ぐ〉

〈八幡湿原自然再生事業の現場、背後の山は掛頭山〉

 

 

11:16〜11:20 二川キャンプ場

  町道の突き当たりの右側一帯にキャンプ場が開かれている。学校の夏休みの期間中であることから、林間から子供達の声が聞こえてきていた。突き当りを右折して、二川キャンプ場に沿うように延びる林道を歩いて行った。 キャンプ場から15分ほど行くと掛頭山へ上って行く林道が右に分岐するが、登山者はここは左手の舗道を進む。この分岐から10分弱で土草峠に出る。

 

 

 

〈二川キャンプ場〉

〈木洩れ日射す舗道を土草峠へ急ぐ〉

 

 

 

 

 

〈鮮やかな黄色のオミナエシ、秋を感じさせる花でもある〉

 

 

11:44〜11:46 土草峠

  この小さな峠の右側の山肌に掛頭山への登山道の取付きある。そこから尾根筋に入って行く。尾根筋の登山道は、最初からかなりの急坂である。それもやがては緩い傾斜となり、見事なミズナラの林の中を行く道となる。ここ掛頭山はミズナラの原生林でも有名なところだ。頂上台地に近付くにつれ、ミズナラに加えてブナの古木も多くなってくる。峠から約45分で頂上台地にあるテレビ塔に出合う。この先、山上には多くの鉄塔が建っている。掛頭山の頂上は、ここから林の中を歩いて10分とかからない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈土 草 峠〉

〈ミズナラの古木繁る登山道〉

 

 

 

 

 

 

〈こちらはブナの古木、なかなかの貫禄である〉

〈森の中をアサギマダラが優雅に飛んでいた〉

 

 

12:39〜12:40 掛頭山(1,126.1m)

  掛頭山の頂上は潅木を切り開いた狭い空地に指導標と三等三角点があるだけのところで、潅木に囲まれて眺望はない。この頂上から東に笹原の中に踏み跡が延びているのでそれを辿って行くとダートの林道に出る。その先の斜面にはパインリッジリゾーツ芸北スキー場が開かれている。ここからは東側180度の好展望が開けている。林道に面したスキー場最上段リフト駅の日陰で昼食を摂った。空気の澄んだ日で遠く大山、三瓶山も望めた。また涼風が吹き、下界は猛暑だというのに、ここは摂氏22度台の気温であった。

 

 

 

 

〈掛頭山々頂広場〉

〈スキー場リフト駅の日陰は涼しい〉

 

 

 

 

 

〈間近に阿佐山・天狗石山の大きな山塊が望める〉

 

 

 

 

 

〈遥か三瓶山のスカイラインが望める〉

〈もっと遥か先には大山のシルエットが見えた〉

 

 

13:59 臥龍山縦走路分岐

  あまりにも涼しく、また眺めが良いこともあってつい長い昼食時間となってしまった。昼食後、いつもは掛頭山の三角点に戻って柏の樹の繁る頂上台地の中を臥龍山へ向かうのであるが、今回は林道を歩いてみることにした。ダートの道が直ぐに舗装道に変わったが、そこにアマチュア無線家の車が一台停っていた。林道を歩いてみて良かったことは、登山道を歩いていては見えない恐羅漢山が見えたことである。ここから見る恐羅漢山、深入山、それに目の前の臥龍山の三点セットはなかなかの光景である。

林道を外れて臥龍山への整備された縦走路へ入る。どんどん下って行って15分弱で一旦林道に出るが、直ぐにまた山道に入る。山道に入ると猿木峠は直ぐだ。

 

 

 

〈掛頭山山頂から林道を歩いてみた〉

〈深入山、恐羅漢山、臥龍山の揃い踏み〉

 

 

 

 

 

 

 

〈二つの千米峰を結ぶ縦走路である〉

 

 

 

 

〈臥龍山への縦走路を行く〉

 

 

 

 

14:20〜14:21猿木峠(984m)

  猿木峠からは北の八幡原公園の外れに下る道が分岐する。この日は縦走路を辿って臥龍山を目指した。峠からは上り勾配となる。ブナやミズナラの美しい森の中を進む道は気持ちが良い。途中笹薮の中に四等三角点のある1,123.6mのピークを越えて、雪霊水へ向かうトラバース道を右に分けると、最後の急坂となってブナの古木の中を汗かき登って行くと臥龍山の山頂に飛び出る。

 

 

 

〈猿木峠:ここから八幡原に下る道が分岐する〉

〈縦走路は木洩れ日のブナ林を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

〈アキアカネが羽を休めていた〉

 

 

 

 

〈このブナの間を抜けると臥龍山山頂だ!〉

 

 

 

15:23〜15:30 臥龍山(1,223.4m)

  いつもは多くの登山者で賑やかな臥龍山の頂上広場にはこの日は人っ子一人いなかった。世間は今日くらいからお盆休暇入りで、皆さんの関心は山に向かっていないと見える。この日出会った登山者は、山口から2週間先のグループ登山のために下見に来られた男性2人組だけであった。この山がこんなに静かであるもの珍しい。もう時間も遅いので、小休止して早々に下山することとした。

 

 

 

〈臥龍山の頂上広場〉

〈臥龍山の一等三角点〉

 

 

15:40〜15:44 雪霊水

  林道が延びて来ている雪霊水の水場に出てみると、福山ナンバーの自動車が一台いるのみであった。空いていたペットボトルに水を頂いてここでも早々下山路を急ぐこととした。

 

 

 

〈雪霊水:山頂近くながらいつも清水が湧いている〉

〈千町原登山口から臥龍山を見上げる〉

 

 

16:42 千町原登山口

  見事なブナやミズナラの樹の多い森の中のやや笹が被さり気味となった登山道を下って千町原の登山口へ下山した。

 

 

〔山行所感〕

  ミズナラやブナの深い森、それに涼しく、透明度の高い空気にも恵まれて、下界は猛暑だというのに実に快適な一日を過ごさせてもらった。懸念していたマムシに遭うこともなく、その意味でも快適な日でありました。

山の中はそろそろ秋めいた花々が花を開こうとしているようでありました。麓の八幡原公園をゆっくりと歩いてみると、花々や昆虫が忙しく今の時を生きていることがよく感じ取れました。猛暑なれど、季節は確実に一歩一歩進んで行っています。

 

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