匹見川の峡谷の西に聳える秀峰 春日山(989.2m)

島根県益田市匹見町

2007年9月15日(土)    仁王さん夫妻+増長天さん夫妻+チャコ&門久

 

 

 

〈対岸の亀井谷から仰ぎ見る春日山(2007年3月)〉

 

 

亀井谷の林道から、また奥匹見峡から県境尾根への道すがら等々

匹見川の峡谷の西側にある秀麗な姿をした春日山を見ていつかは登ってみようと思っていた。

しかし匹見川側からの登山道はない様子で、

登るとしてもかなりの藪漕ぎを強いられそうな山だと思い込んでいた。

今回登ってみようと思い立ち調べてみると、

各種のガイドブックに西側の矢尾集落の奥から登山道があると記されてあった。

今までろくすっぽ調べもせずに登山道はないと思い込んでいただけのようだ。

自らの怠惰を反省せねばなるまい。

かくして、登山口となる矢尾の奥のこしまつ橋まで赴いた。

 

春日山付近の地図 ← ここをクリックして下さい

 

《山行記録》

こしまつ橋9:52・・・・9:56大山橋・・・・10:00登山口・・・・10:08危なげな木橋・・・・10:13美都ルート合流点・・・・10:26「春日山頂上まで1000m」・・・10:30・炭焼窯跡10:35・・・・10:37水場・・・・10:47「春日山頂上まで500m」10:51・・・・11:09春日山(989.2m)(昼食)12:10・・・・12:30水場・・・・12:35「春日山頂上まで500m」・・・・12:48危なげな木橋・・・・12:56登山口・・・・13:02こしまつ橋

〔総所要時間:3時間10分、昼食・休憩等:1時間10分、正味所要時間:2時間〕

 

 9:52 こしまつ橋

  中国自動車道戸河内ICから国道191号線で益田方面へ。広島・島根県境を越えてから「出合原」で県道307号線に入り匹見町の市街地で国道488号線を益田方面へ。市街地を外れて直ぐの落合トンネルの手前を右折して県道172号線を「春日山登山口」の指導標に従って矢尾の最奥まで入って行く。舗装道が途切れるところが登山口となる「こしまつ橋」である。橋を渡ってすぐ右側に2〜3台停めれるスペースが用意されている。

 

  こしまつ橋詰で身支度を整えて登山開始。小雨がポツポツと降り始めた中であった。10分間足らず草で覆われた林道を歩き、「春日山登山口」と大きく書かれた看板の立つ地点から山道となる。やや危うげな木場を二度渡って渓流沿いの杉林へと入っていった。

 

 

 

〈こしまつ橋:自動車でここまで入れる〉

〈林道終点の先にこんな立派な指導標が〉

 

 

 

 

 

〈こんな危なげな木場を渡る〉

〈小雨が降って薄暗い杉林の中を行く〉

 

 

10:08 美都ルート合流点

  杉林に入って直ぐに美都からの登山道が合流した。現在春日山への登山口は、矢尾奥のこしまつ橋登山口と美都の「みと自然の森」登山口の二つあるようである。登山道は曇って薄暗く感じられる杉林の中を、やや右手(東)に方向を変えて斜度を増して春日山西側の小尾根へと登って行った。登り続けると「頂上まで1000m」の指導標に出合い、なお登ると登山道の左手に炭焼き窯跡なども見られた。

 

 

 

 

 

 

〈美都の自然の森登山口からの道が合流する〉

 

 

 

 

〈小雨が梢を叩く杉林を行く〉

 

 

10:37〜10:38 水場

  長かった杉林の中の道を抜ける直前に水場があった。竹を半分に割った掛け樋から清水が滴り落ちていたが、周囲がクロボクの湿った土で清潔感が感じられず、我等がメンバーの誰も関心を示さなかった。登山道は、直ぐにミズナラの多い自然林の中に入って行った。笹原の中に広いスペースを確保しよく整備された山道で、気持ち良く歩けた。「頂上まで500m」、「・・・200m」そして「・・・100m」の指導標が現われて歩行の後押しをしてくれた。

 

 

 

〈「こんな所に!」と思う場所に水場があった〉

〈水場を過ぎると杉林から自然林へと変わる〉

 

 

 

 

 

〈急傾斜の何箇所かにはロープが張られている〉

〈頂上近くの稜線にはツルリンドウの姿が多かった〉

 

 

 

 

 

〈頂上近くになって緩斜面を行く〉

 

 

11:09〜12:10 春日山(989.2m)

  登山口から1時間20分足らずで頂上に到達した。頂上広場の中央に春日大明神を祀った祠があり、その先の草地からは東側に大眺望が開けていた。雨は止んだようで、一部の山の頭がまだ少々雲の中にあったがものの、天杉山から遥か青野山までの大眺望が得られた。眺望を楽しんだ後で、祠背後の樹の影で昼食を摂った。

  この頂上の春日大明神は、矢尾の住人が奈良の春日大社から分神を受けたものとのことで、毎年8月5日にここで祭礼が行われるという。そのために、矢尾からの登山道は古くからよく整備されているという。信仰の道を登山道として使わせてもらっているというのが正当であるようだ。地域の人々に感謝しなくてはならない。

 

 

 

 

 

 

 

〈春日大明神が祀られている春日山山頂〉

〈毎年8月5日にこの山頂で祭事が行われるという〉

 

 

 

 

 

〈正面に広見山、その先に恐羅漢山を望む〉

〈遥か先は五里山から、三坂山、大神ヶ岳への稜線か〉

 

 

 

 

 

〈雲に頭を隠しているのは安蔵寺山か〉

〈遥か西には青野山などが望めるのか?自信はないが・・・〉

 

 

 

 

 

〈花の少ない山であったが、頂上に咲いていた見事なアキノキリンソウ〉

 

 

12:30 水場

  皮肉なものだが、下山する頃になって空は大分晴れてきたようだ。お陰で、下山路は随分と明るく、新鮮に感じられた。時折ロープの張られた急坂があるが、登りで感じた以上に下りの方が急に感じられた。一気に下って、50分間ほどで登山口に帰着した。

 

 

 

〈正午頃には空が明るくなり木洩れ日射す登山道〉

〈杉林の中に咲いていたヤマジノホトトギス〉

 

 

 

 

 

〈晴れた日差しで明るくなった杉林を下って行く〉

〈登山口近くに咲いていたミズヒキ(タデ科ミズヒキ属)〉

 

 

13:02 こしまつ橋

  無事にこしまつ橋詰の駐車場所まで下山した。この日我々以外にこの山に入った人はいないようであった。誰一人山中では会わなかった。ただ、こしまつ橋までの林道(県道)では、伸びた樹々の伐採や道路の整備が人手と重機とで行われていた。よく整備された林道や登山道は、こうした地域の努力の賜物であると思う。改めて深謝!

 

〔山行所感〕

  登山道なく藪漕ぎ必至と思っていた山に、登り1時間余、下り1時間足らずのハイキング気分でピストン出来た。事前準備不十分、怠慢至極であったとは言え、思わぬ儲けものをしたように感じたのも事実である。山頂の春日大明神あっての立派な登山道である。信仰の力、地域社会の持つエネルギーのなせるところである。次からどこかの山中からこの秀麗な山を見た時には、信仰という清々とした一面が新に思い起されることとなるのは、また楽しいことである。

  仁王さんご夫妻、増長天さんご夫妻、大変にお疲れ様でした。前夜急遽結成した登山隊でしたが、楽しい山行となりました。

 

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