クスの原始林のある市民の憩いの山 立花山(367.1m)      

福岡県糟屋郡新宮町・同久山町福岡市東区

2007年11月3日(土)     門久単独

 

 

 

〈日本の森の巨人たち100選の一つに選ばれた「立花山大クス」〉

 

 

納めの大相撲九州場所が11月に博多で開かれる。

今年もその大相撲の朝稽古見学に出掛けることとなり、

それに併せて福岡市近郊の立花山に登る計画とした。

調べてみるとクスの自然林の北限の地で、かなりの規模でクスの原始林があるという。

標高400メートルにも満たない山ながら、山と渓谷社の九州百名山の一つにも数えられている。

これは何か楽しいものがある山に違いないと直感して、踏破意欲を掻き立てられた。

訪ねてみると、やはり素晴らしい森に恵まれた、市民に愛されている山であった。

 

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《山行記録》

 筑前新宮駅13:06・・・・13:23『新宮温泉』・・・・13:50「立花小学校前」・・・・13:58登山駐車場14:02・・・・14:05立花口

 

14:06立花口(登山口)・・・・14:06梅岳寺14:08・・・・14:19休憩舎14:20・・・・14:26ナギの大樹14:27・・・・14:35最初のクス14:38・・・・14:43屏風岩分岐・・・・14:48立花山の大クス14:52・・・・14:58屏風岩分岐・・・・15:02立花山(367.1m) 15:23・・・・15:28屏風岩分岐・・・・15:39ナギの大樹・・・・15:42休憩舎・・・・15:51立花口(登山口)

〔総所要時間:1時間45分、休憩等:0時間32分、正味所要時間:1時間13分〕

 

立花口15:51・・・・15:54登山駐車場15:56・・・・16:04立花小学校前バス停16:05==(新宮町コミュニティバス)==16:23筑前新宮駅

 

 

13:06 筑前新宮駅

  久山町にある相撲部屋からその北方ある立花山を初めて見た。品のある整った感じの山であった。その相撲部屋から一旦福岡市内に帰り、同行のメンバーと一旦別れて単独で博多駅からJR鹿児島本線上り電車に乗って最寄の筑前新宮駅で下車した。登山口の立花口までタクシーで行くことも考えたが、約1時間の徒歩で行ける距離ゆえ、山麓の視察も兼ねて歩いてみることにした。

  筑前新宮駅から線路沿いに北上してバス通りに出て右折し鹿児島本線の踏切を渡った。東進して行くバス通りの沿道は新興の住宅地である。国道3号線を「須川」(すごう)交差点で渡ってそのまま東進を続けた。急に田舎じみてきて行く手右前方に立花山の兄弟峰の松尾山・白岳が見えてきた。道路はその立花山々塊の左手を回り込むようにみかん畑の中の峠道を緩やかに上って行き、立花小学校の先で峠を越えた。峠を越えるともう立花口で、右手の高台に最澄が開いたという天台宗の名刹独鈷寺を見て進むと直ぐにトイレの設備のある立花山への登山用駐車場が現れた。登山口はそこから目と鼻の先であった。

 

 

 

久山町方面から見た立花山〉

〈ここ鹿児島本線筑紫新宮駅から歩き始めた〉

 

 

 

 

 

新宮町から見た白岳・松尾山、立花山から続く山である〉

〈立花口の登山口近くに登山駐車場がある〉

 

 

14:05 立花口(登山口)

  登山口は道路脇に「ようこそ立花山へ」という案内や道路標識があるので直ぐに分かる。登山口から細い舗道が南に伸びている。直ぐ右手に梅岳寺がある。名刹であるが今ではやや荒れ気味の寺であった。指導標に導かれて民家の間を抜け、「立花苑」からは荒れ気味のみかん畑の中を抜けて上って行く。舗道が終るところに小さな休憩舎があって、そこから先は山道となる。階段状のよく整備された道が続いている。山道に入って直ぐ右手に「なぎの大樹」がある。樹齢は240年以上、根元周囲が2・51メートルあるという。そこを過ぎて、渓流沿いの急坂を上って行くと、道は左折して山肌を巻くようになり。その巻道に一本のクスの大木が現れる。通りかかった方に「これが大クスですか」と聞いてみたが、それはまだ先だと教えて頂いた。その先には沢山のクスの樹が見られて、頭上の空間はいつの間にかクスの枝で覆われていた。

 

 

 

〈立花口の登山口に立つ立派な案内標〉

〈古刹梅岳寺、登山口の間近にある〉

 

 

 

 

 

〈登山口から暫し民家の間やみかん畑の傍の舗道を登って行く〉

〈舗道の終点にある休憩所、ここから山道が始まる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山道に入って「なぎの大樹」が迎えてくれる〉

〈最初に現れた大クス、十分に驚く大きさだ〉

 

 

 

14:43 屏風岩の分岐

  屏風岩の下にベンチのある分岐があった。右手を採れば頂上へ、左手を採ればクス原始林へ行く。ここは左手を採って大クスを見に行くこととした。

 

 

 

〈山道に入って20分、頭上はクスの梢に覆われる〉

〈屏風岩の分岐、左:大クス、右:立花山頂上〉

 

 

14:48〜14:52 クスの原始林

  屏風岩の分岐から下り気味に立花山の東面へと5分足らずの時間回り込んで行ってみると、見事なクスの大木の森が広がっていた。幹は想像以上に太く、伸びている枝も天を突く程に高く圧倒される程であった。天然自然のクスノキとはこんなものかと驚いてしまった。樹齢300年以上、幹周7・85メートル、樹高30メートルという「立花山の大クス」もこの森の中にあった。日本の「森の巨人たち100選」の一つに選ばれているこの巨樹は、一際眩しい程に大きなものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

〈森の巨人たち100選「立花山大クス」〉

 

 

 

 

 

 

〈立花山大クスの根元あたり、樹周8メートル近くあるという〉

〈立花山大クスの枝振り、その巨大さに圧倒されそう!〉

 

 

 

 

 

〈クスの原始林の説明板、ここがクスの自然林の北限という〉

 

 

 

 

 

〈クスの原生林、明るくホッとする森だ〉

 

 

 

15:02〜15:23 立花山(367.1m)

  クスの原始林から屏風岩の分岐に引き返して頂上へ。約10分の道のりだった。途中、古井戸や松尾山・白岳方面への分岐があった。頂上は元の立花城本丸跡の広場で二等三角点が置かれていた。3組の登山者が思い思いの場所で休んでいた。素晴らしい福岡市街地や博多湾の眺めを期待していたが、こちらは濃い靄のため想いが果たせなかった。下山路は、南側の三日月山(272m)へ縦走して三日月温泉から香椎へ下ることも考えていたが、夕刻の宴席の時間の制約もあったので、遅れてならじと元来た道を引き返すことにした。

 

 

 

〈立花山山頂、二等三角点のある山城跡だ〉

〈山城跡らしく広い頂上広場〉

 

 

 

 

 

〈好天と思っていたが、福岡の街は靄の中であった〉

〈靄と西陽で模糊とした博多湾方向〉

 

 

 

 

 

〈海の中道が志賀島まで続く、玄海島は霧で半分隠れていた〉

〈立花山から尾根が続く手前が松尾山(337m)と白岳(314m)〉

 

 

 

 

 

〈北方向には新宮浜、古賀市街地が望める〉

〈南方向には三日月山の山頂部が望める〉

 

 

15:51立花口(登山口)

  同じ道のピストンで、登りに45分間かかった道を30分間足らずで下った。市民に慣れ親しまれている山らしく、まだ登って行く人達の姿も見られた。活気のある山は、また気持ちが良いものだ。

 

 

 

〈下山道から住宅団地も出来ている立花口の集落を眺望する〉

〈登山駐車場に隣接する六所神社、五穀豊穣の神ようだ〉

 

 

16:23 筑前新宮駅

  立花口にバス停があるだろうと捜しながら県道を歩いてが見つからず、立花小学校まで歩いてやっとバス停を見つけた。新宮町のコミュニティバスが1時間に1〜2本通っていた。可愛いミニバスで、他所者の登山者でも運賃は100円也。筑前新宮駅前までお世話になった。

 

 

 

 

 

〈お世話になった料金100円のコミュニティバス「マリンクス」〉

 

 

 

 

新宮町コミュニティバスの停留所〉

 

 

 

〔山行所感〕

  久し振りの九州の山であった。400メートルに満たない山であるが、九州百名山の一つに数えられるのは、きっと登山者を魅了する何かがあるのだろう思って訪ねた。クスの原生林の素晴らしさは特筆に値するものである。あの堂々としたボリュームは十分に登山者を元気付けるものだ。本来は頂上からの福岡市街地や博多湾、海の中道などの眺望も素晴らしいものなのだろう。松尾山・白岳方面あるいは三日月山と結ぶことによって、これらの素晴らしい資源がより生きてくるに違いない。こんなことから、この山はこの地の老若男女誰からも親しまれて続けているいわゆる「忘れ難き故郷の山」であると納得した。

 

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