響灘・関門の好眺望の一等三角点のある山 竜王山(613.9m)

山口県下関市

2007年12月10日(月)  チャコ&門久

 

 

 

〈麓にある龍王神社から竜王山の西斜面を見上げる〉

 

 

二日間の小旅行!

前日に青海島、仙崎、角島でノンビリとした一日を過ごし、川棚温泉に投宿した。

この日も先ずは本州最西端の一等三角点のある名峰竜王山に登って半日遊ぶこととした。

下関の北郊の小高い山であるだけに、ファミリーハイクの山として、

地元の人達に親しまれている山であるようだ。

月曜日のこの日はさすがに家族連れの姿はなかったものの、

平日にも拘わらず10組に近い登山者とお会いした。

この山の人気の程が想像出来る人数だと思う。

今回は、旅先での地元名山へのお邪魔登山のレポートです。

 

《山行記録》

駐車場所 9:38・・・・9:40吉見登山口・・・・9:45中宮9:46・・・・10:23五合目・・・・10:32六合目・・・・10:38上宮鳥居10:39・・・・10:42尾根上出る・・・・10:49展望所10:50・・・・11:16鬼ケ城山方面分岐・・・・11:20龍王山(613.9m)(一等三角点)11:40・・・・11:45「吉見峠経由鬼ケ城山」方面分岐・・・・12:02展望所・・・・12:09尾根を外れる・・・・12:12上宮鳥居・・・・12:16上宮12:19・・・・12:24上宮鳥居12:25・・・・12:35五合目・・・・13:00中宮・・・・13:04吉見登山口・・・・13:06駐車場所

〔総所要時間:3時間28分、休憩:0時間29分、正味所要時間:2時間59分〕 

 

 

 9:40 吉見登山口

  川棚温泉から農免道路を下関方面へ約9キロメートル南下。吉見町の山の手にある竜王山登山口は直ぐに見付かった。道路左側に龍王神社中宮の小振りの鳥居があり、その足元に登山口の標識が立てられていた。付近には駐車場の好適地は見付からなかったので、吉見の街から上がってくる細い車道が農免道路に出る手前にあるやや広い路肩(2台が駐車可能)に停めさせてもらった。この農免道路への出口にも、トーテンポール様の杭に取り付けた竜王山への道標があった。

 

 

 

〈登山口近くのトーテンポール様の指導標〉

〈竜王山吉見登山口〉

 

 

  登山口の鳥居を潜ると直ぐにかなりの斜度の長い階段道が続いていた。最初から階段道とは厭だなと思いつつ登り始めたが、5分も登ると「中宮」の鳥居があり、その上に小さな祠のある小広場があった。これが龍王神社の中宮であった。中宮を過ぎると山道となった。落葉が積もったよく踏まれた道が、照葉樹の森の中に綺麗に延びていた。一箇所を除いて潅木の中ゆえ眺望は殆んど望めない。行くほどに傾斜のきついジグザグの道となり高度を効率良く稼ぎながら登って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈龍王神社中宮の祠〉

〈落葉積もった登山道〉

 

 

 

 

 

〈樹間に吉見の街を望む〉

〈六合目辺りの登山道〉

 

 

10:38〜10:39 上宮の鳥居

  吉見登山口から標高差400メートル程を一気に登った標高445メートルの尾根上に上宮がある。登山道は上宮の鳥居前で右に折れて上宮の境内を巻いて直ぐ上の尾根に上がっていた。ここまでゆっくりと歩いて小一時間というかなりのスローペースであった。上宮に参拝してから頂上に向かいたかったが、鳥居を潜ったところに「これから先は素足で参拝」との注意書きがあったので、ひと先ずは敬遠することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈銅製の龍王神社上宮の鳥居〉

〈上宮への自然石の石段〉

 

 

 尾根上に上がると、ここも照葉樹の中の道で眺望はなかった。よく踏まれた歩き易い道であるが、距離が長くやがて飽いてきた感じになってしまった。七合目の先に一箇所だけ北方の鬼ケ城山方面を望める展望地があった。砂漠の中のオアシスのようなところと言えようか。一度、二度とアップダウンもあって、吉見峠経由での鬼ケ城山へのルートを左に分けてから直ぐに周囲が急に明るくなって竜王山山頂の広場に飛び出た。

 

 

 

〈尾根上も照葉樹林の中の道だ〉

〈鬼ケ城山と川棚温泉方面の眺望〉

 

 

 

 

 

〈九合目辺りの急坂〉

〈頂上手前で鬼ケ城山方面への道が分かれる〉

 

 

11:20〜11:40 竜王山(613.9m)

  山頂は周囲360度とまではいかないものの、北方の一角を除いて好眺望の地であった。あいにくとこの日は霞んでおり、やや模糊とした眺望ではあったが、南には関門海峡から北九州の景観が、西側には響灘が、北には鬼ケ城山、狩音山などが望めた。頂上には一人の男性の先客がいたが、山頂にいた20分間に次から次に登山者がやって来られた。ここは当地で人気の山だけに、縦横に登山路が通じているようである。山頂の気温は8度程でじっとしていると寒く感じるほどであった。当初はここで暖かいカップ麺を食する予定であったが、この冷たさに長居は無用と、昼食は下山後に下関で江戸前の寿司でもと考えて早々に下山することにした。

 

 

 

〈さすが立派な一等三角点〉

〈遥か南に関門海峡を望む頂上広場〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈海峡を挟んで遥か九州の山並が望める〉

 

 

 

 

 

〈頂上を飾る鐘、霧の日には威力を発揮する〉

 

 

 

 

 

〈麓の安岡の村崎ノ鼻とその先の響灘の眺望〉

〈鬼ケ城山(左)と狩音山(右)〉

 

 

 

 

 

〈東麓の深坂溜池〉

〈吉見沖の響灘〉

 

 

  往路と同ルートで下山した。九合目辺りの急坂は滑り落ちそうなほどである。それ以外に、上宮までの尾根道で危険なところはない。七合目手前の展望所以外には眺望がなく、よく踏まれた照葉樹林の中の道を根気強く下って行った。

 

 

 

〈何故か展望所にオモトの実があった〉

〈午後になって川棚温泉方面の眺望も晴れてきた〉

 

 

12:12〜12:25 上宮

  往路で立ち寄れなかった上宮へ参拝してきた。石段の登り口に「ここから素足で」と記されているのでここは素直に靴を脱いで参拝した。長い自然石を敷き詰めた石段を登って行ってみると、簡素で古い拝殿と神殿が樹々に囲まれて厳かな雰囲気の中に祀られていた。

 

 

 

〈素足で上がる石段〉

〈頂上部に建つ上宮の拝殿と神殿〉

 

 

  上宮からの下りは概して急坂の連続である。下りの方が登りの時以上に傾斜度を感じるものだ。それにここも一箇所を除いてほぼ眺望がないので、単調な下りについ退屈となってしまう。中宮辺りまで下ってきて、下の農免道路を行き交う自動車の音が身近に聞こえ始めるとつい安堵感を覚えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈吉見の沖の小島が望めた〉

 

 

 

 

〈樹林の中の道を下る〉

 

 

13:04 吉見登山口

  標準時間に比べれば予想外に時間を要した山行であったが、無事に下山出来た。山中で中宮、上宮に参拝したのだから、ここは本家本元の龍王神社の本宮を参拝せねばと、下山後に自動車で下の集落へ赴き、予想以上に立派な社を参拝させて頂いた。

 

 

 

〈龍王神社の立派な門、何故かこの日は閉まっていた〉

〈龍王神社の本殿〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈龍王神社参道と背後は竜王山〉

 

 

〔山行所感〕

  「竜王山か? 龍王山か?」  山中に中宮、上宮があった麓の神社は「龍王神社」だ。山と渓谷社の「中国百名山」ではこの山を「龍王山」と紹介している。一方で、国土地理院の地形図には「竜王山」を記されてあり、山上や麓の指導標も「竜王山」であった。私は現地の人達の意向に従うこととして、ここでは「竜王山」と標記することとしました。

  吉見口から登るこの山は、上宮までは参拝道という雰囲気がありましたが、上宮から先の尾根道は将にハイキングルートそのものという軽快な感じでした。全般を通してよく踏まれた道で、照葉樹林も美しく、歩くのが楽しい山でした。中宮から上は、階段なども殆どなく、急坂続きの野趣に富んだ道というのもなかなかいいものです。また登る機会があるとすれば、好天の日に登って目が覚めるような大眺望を我が物にしたいものです。

 

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